イナゴじゃないよサバクトビバッタの生態と蝗害について【大量発生するとヤバい】

 

アフリカでは恒例のように発生している「バッタの大量発生」ですが、直近では例年より多すぎるということで非常事態警告が出されています。

バッタ達はアフリカ大陸で発生し、徐々に大移動して行きます。

その数なんと4000億匹超。

大群の大きさは幅40km、長さ60km、重量80万トンにまで及んでいるといいます。

 

その大群が通った後はあらゆるものが食い尽くされて何も残らない…

 

近年の異常気象もあるので、今後日本で起こる可能性もゼロとは言えないでしょう。

では、なぜこのようなことが起こるのか見ていきましょう。

 

サバクトビバッタの生態と煌害(こうがい)

アフリカで大量に発生しているのは「サバクトビバッタ」という種です。

形はトノサマバッタのような感じですね。

 

アフリカでは毎年数多くのバッタが発生し問題になっています。

その規模は日本にいる我々では想像できないと思います。

 

サバクトビバッタについて、非常に参考になる記事があったので、ぜひご覧ください。

【研究室】研究室に行ってみた。モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所

 

地面の一区画を埋め尽くしながら行進するバッタ…

ぞッとします。

 

煌害(こうがい)について

バッタが大量に発生して災害となることを、日本語で「蝗害(こうがい)」と言います。

あまり馴染みのない言葉ですが、一応、日本では明治時代に北海道でトノサマバッタによる蝗害が発生した記録があるそうです。

 

「蝗」という字はイナゴを意味しますが、実はイナゴは性質上「蝗害」になりません。

「蝗害」を起こすのはバッタです。

本来、中国ではトノサマバッタのように「集団で密集した環境にいると、その特性が変わるバッタ」のことを「蝗」という字で表していましたが、日本に漢字が伝わった際に意味が変わってしまったようです。

当時の日本ではトノサマバッタによる害はなく、稲を食い荒らすイナゴがあてられたと考えられます。

 

日本では馴染みがない蝗害ですが、アフリカなど頻繁に発生する地域では昔から貧困と疫病を運ぶ最悪の災害として認識されています。

画像:INDEPEMDENT

蝗害と言えば、映画の「エクソシスト2」では災害としてバッタ大群のイメージがあったのを思い出しました。

※和訳ではイナゴになっていたと思いますが、あれもサバクトビバッタなどと同じだと思います。

 

大量発生が起こる原因

バッタの繁殖には水が深く関わっています。

かつての北海道で起こったトノサマバッタの大量発生も、台風の直撃によって土砂が流され、広い地域がバッタの繁殖に最適な土地になったのが原因です。

大量の水は土地をならし、植物の育成とバッタの繁殖に有利な条件を整えるからです。

 

今回のアフリカでも、10月~12月に過去40年で最も多くの雨が降ったため、バッタの大量発生が起こりました。

 

煌害に発展する原因

実は“大量発生しただけ”ではまだ煌害とは言えないんです。

煌害の恐ろしいところは、個々のバッタが一軍となり、まるで一つの巨大な生物のようになり、あらゆるものを食い尽くして暴走するところです。

この暴走のきっかけになるのは、サバクトビバッタの持つある特性が関係しています。

 

それは特性とは、生息条件によって「孤独相」と「群生相」が変化するということ。

この変化のことを「相変異」といいます。

 

Body and brain changes between solitarious and gregarious locusts. (A) Differences in colouration and body size and shape in final larval instar and adult solitarious and gregarious locusts are shown. (B) Differences in brain size and proportions of particular regions in solitarious (left) and gregarious (right) brains of adult locusts are shown. Data from [13]. Regions in the midbrain (MBr) include the olfactory antennal lobe (AL) and three neuropils in the mushroom body: the olfactory primary calyx (pcx), the gustatory accessory calyx (acx) and the multimodal lobes (lb). The optic lobe (OL) comprises three successive visual neuropils: the lamina (la), the medulla (me) and the lobula (lo). Absolute total brain size is 27% larger in gregarious locusts. The remaining numbers refer to the differences in proportions of different brain regions relative to total brain size. Positive numbers indicate that a region is disproportionally larger in gregarious locusts than in solitarious locusts (**P < 0.01; *P < 0.05; +P < 0.1).

左が孤独相、右が群生相

出典:ResearchGate

 

孤独相

孤独相というのは我々のよく知る普通のバッタの状態です。

特に群れることもなく草を食べるだけのバッタですね。

 

群生相

大量発生して密集しだすと、バッタの身体が変化していきます。

なぜそうなるのか?まだ完全には解明されていませんが、一説によると昆虫の後足が互いにぶつかることによって起きる物理的な刺激が連鎖となり、大群の相変異を起こすと言われています。

 

代表的な変化は以下のとおりです。

  • 身体が緑から黄色と黒に変わる。
  • 身体が短くなる。
  • 足が短くなる。
  • 翅が長くなる。
  • フェロモンにより互いを引き寄せる。
  • 何でも食べるようになる。

こう見ると飛行に適したような形状に変化しているようです。

そして近場の食料がなくなると、他の場所へと食料を求めて移動します。

 

サバクトビバッタの天敵

サバクトビバッタにもハチやアブ、鳥や爬虫類などの天敵がいます。

ただ、あくまで孤立した単体に対しては有効かもしれませんが、大群になったバッタにはあまり効果はないです。

 

蝗害に対する対策

煌害の対策として、アフリカではヘリコプターからの殺虫剤をまいたり、幼虫の頃に駆除するなどあるようですが、根本的な解決にはなっていないようです。

 

バッタの大量発生で飢餓になるなら、そのバッタを食べればいいと思われるかもしれませんが、それもあまり現実的ではないようです。

なぜなら…

 

もうすでに食べている

彼らはもうバッタを食べています。

ただ、そんな大群を取り尽くす方法もないし、外骨格や足は固く消化不良になりやすいので処理が大変だそうです。

ゲテモノ食のプロフェッショナルである、ざざむし。の人も下記のように言っています。

トノサマバッタはイナゴより大きく外骨格も厚いので殻をいかに快適に食べられるかが肝です。

ざざむし。

ざざむし。~トノサマバッタのバッタ天丼は不味くなんかないでござる~

 

でも、こんがり揚げて意外と美味しそうですね。

 

昆虫食【バッタ】
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殺虫剤による駆除

すでに過去何度も空中散布により殺虫剤がまかれているようですが、これも解決には至っていないようです。

しかも、その殺虫剤により土壌が汚染されているため、その土地から生まれたバッタも汚染されている可能性が高いそうです。

ということはバッタを食べるのも健康的には懸念されます。

それでも、バッタ食が無くなることはないと思いますが、逆に強くすすめることも出来ないという事情もありそうですね。

 

まとめ

彼らは海抜約2,000m程度まで飛行できるそうですが、中国に入るまでには高い山脈があるので、大群がそれ以上進むことは考えづらいです。

 

さらにバッタに詳しい人の記事を発見しました。

どうやら中国に接近しているのは別の繁グループのようですね。

イナゴの群れは夏には中国に到達! というクソみたいなデマが流されるので、もう少しバッタについて説明する

バッタの動向がわかるサイトはこちら「Locust watch」

 

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