エイリアンの起源が分かりそうで分からない【プロメテウス】の考察 2/2

 

前回のづづき。

 

※この考察に次作のコヴェナントの内容は特に加味していません。

  

この映画の謎

この映画最大の謎はエンジニア達の目的です。

冒頭のシーンで、大昔の地球に彼らのDNAを落とした行為からは「“何かしらの生命体”を創ろうとした」という意図を読み取れます。

しかし、創ろうとした生命体が何でも良かったのであれば、わざわざエンジニア自身が犠牲になる必要はないと思うんですよね。

 

彼らの母星にも他の動物や昆虫など色々な生物がいるはずなので、単純に生命のきっかけとなるDNAをばらまくのが目的なら犠牲にするのは自分たち以外の動物を選べばいいのです。

にもかかわらず同種族を犠牲にしたということは、何らかの理由があると思うべきです。

 

エンジニアは「創造論」支持

この映画のテーマには「種の起源」が関係しています。

そして、種の起源についての考え方は主に2種類あります。

進化論と創造論。

  • 進化論
    すべての生物は一つの生命体から多様な生命体へと変化し、進化してきたという説。
  • 創造論
    生物は神が創造し、はじめからその姿のままで生まれてきたという説。

日本の教育で教えられている内容はダーウィンの「進化論」をもとにしていますが、キリスト教を筆頭に創世記を教典に含んでいる宗教では「創造論」を信仰しています。

多くの日本人にとって創造論はおとぎ話に聞こえるかもしれませんが、世界中で信仰されている宗教から考えれば創造論を支持している割合はおそらく半数を超えます。

しかも、最近の研究からは進化論では辻褄が合わないことが多すぎて否定され始めています。

この論争に対する答えもエンジニア達の行動から読み取れます。

 

エンジニア達が「創造論」を信じていて、創ろうとしたものが彼らのような「知的生命体」であれば彼らの行動も納得できる。

 

「創造論」とは生物がその姿のまま生まれたという説なので、最終的に彼らのような「知的生命体」を創りたかった場合、その素となるDNAは彼らのものでなくてはいけなかったということになります。

いくらDNAが似てようと猿やその他の生物ではダメだったわけですね。

もし彼らが「進化論」を正としていたなら、何かしらの生物のDNAで代用すればよかったわけです。

進化するまでに時間はかかりますが。

実際に人間が誕生するシーンは描かれていないので何とも言えませんが、マジでアダムとイブみたいに海から現れたのかもしれません。

 

エンジニア達の文明

歴史やテクノロジーから見ても彼らは非常に高度な文明を持っているはずなので、当然、倫理観も私たちよりも優れているだろうと考えられます。

 

高度な文明=優れた倫理観

 

人間も歴史上は致命的な人体実験や生贄の儀式を行っていた事例もありますが、文明が発展するにつれて禁止され、今では人道的な考えが一般化しています。

一方、エンジニア達は建物内でも人体実験を行っていた形跡がありました。

仮に犠牲になったエンジニア達が全員クローンだったとしても、現在の私たちの倫理観ではNGな行為です。

 

高度な文明を持つはずの彼らがなぜこのような行為を許したのか。

一つ考えられるのは宗教的な思想を持っていた場合。

 

科学が発展すればするほど「神」という存在からは離れていくと思いがちですが、実際はそうとは限らないんです。

実は優秀な科学者ほど神の存在を信じているという話もあります。

彼らは高度なテクノロジーを持っている割に、建物が石で建築してあったり、中央の部屋には石像や壁画があったりと少々ちぐはぐな印象を受けます。

どれだけ科学が進んだところで解明できないことが増え、新たな謎が発見されたりすることで、神話に登場するような「神」ではないにしろ、偶然では説明できないような「意思を持った不思議な力」を信じるようになったのかもしれません。

そういった文化であれば、大昔の地球で行われていたような生贄などの儀式の一環として、同種族を犠牲にしたとしてもある意味納得できます。

 

エンジニアの目的

総合的に考えられるエンジニア達の目的は、ショウ博士達と同じように「種の起源の探求」です。

エンジニア達は自身の起源を研究するうちに、自分たちが創造主になることでその謎を解明しようと試みたと考えられます。

そして、壁画にあったように離れた惑星から定期的に自分たちの創造した種族を観測しに訪れていたのではないでしょうか。

 

エンジニア達が兵器の研究をしていた理由や惑星LV-223の存在を地球人に教えていたのは、いつか人間が驚異的な存在になった時に速やかに排除するためだと考えられます。

2,000年前の時点で宇宙船の目的地は地球に設定されていたので、すでに研究対象として人間が不要になったのか、ただの定期訪問だったのかはわかりません。

 

結局エイリアンとは、エンジニア達の研究の末に偶然生み出された驚異です。

自分達が選ばれた特別な存在であると思い上がった結果、自らが生み出した驚異に翻弄されることになるというお話。

「進化論」と「創造論」については、アメリカでは過去に「進化論を教育で教えること」に対して反対する裁判も行われていたこともあり、現在も両論の折り合いはついていません。

プロメテウスという映画はこの論争に対する答えとして「創造論」を示していると感じます。

 

おしまい。

次作のコヴェナントの考察もあります。

 

プロメテウス
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