購入したラングラーのシフト周りのオイル漏れ修理をしました。
「保証なし」の車両ですが、シフトの部品を手配してもらい自分で直しました。
通常はありえないような不具合なので、いい経験になったと共に車屋への不信感は急上昇し、レベルはMAXになりました。
不具合自体は大したものではないですが、知らずに乗っていた場合は生死にかかわるような状況になる恐れもある内容なのでこれから中古車を購入する人には気を付けてもらいたいです。
まぁ気をつけようがないんですけど。
Contents
ラングラーTJのミッション不具合
購入したラングラーTJ(マニュアルミッション)は試乗時にシフトの手ごたえが悪いことは分かっていましたが、納車後に自分で点検していたらミッションにオイルにじみを発見。
シフトの件もあったのでレバー周りを分解してみることにしました。
【不具合】
- ミッションのオイルにじみ
- シフトフィーリングがおかしい
ミッションタワーへたどり着くためにコンソール類を外してみると、オイルにじみの原因が分かりました。
原因はココ。
ミッションとシフトタワーの間からオイルが漏れています。
車屋は車検取るだけで、ちゃんと点検してないんだね。
シフトタワーを取り外してみるとショートシフターが入っているらしく、純正のシフトタワーとミッションの間に社外ブラケットが入っていました。
オレンジのヤツがスペーサーで樹脂製のタワーとゴムパッキンは純正のようです。
そして、シフトタワーのフランジ部分を見て唖然としました。
本来真っすぐなはずのフランジ面が湾曲しています。
と言うかね、もう割れちゃってるんですよ。
上から見てもこの通り。
樹脂のケースには金属製のカラーというかスペーサーが入っているんですが、そこを締め付けすぎて変形しちゃってるんですよ。
おそらく前のオーナーがやったんだと思う。
こんな隙間ができているので、走行時にそこから水や異物が混入する恐れがありますよね。
それに、こんな状態で走っていたらいつかシフトが外れることも考えられます。
もし高速を走っていて急にシフトが取れたりしたら…
走る棺桶。
考えるだけでもぞっとします。
自分で点検したからよかったものの、車屋を信じて購入した人だったら死んでいてもおかしくないわけですよ。
殺すつもりなのか?
次にシフトフィーリングについてですが、試乗時からシフトがニュートラルに戻らない状態でした。
反発がないというかグラグラの状態と言ったらいいのか…
しかし、車屋曰く「部品図を調べても原因が分からない。」だそう。
購入時は「まぁ社外のシフトが入っていればそれが正常なのかもしれないし、あとから他のシフターに交換すればいいかな」と考えていましたが…
でもね、分解してみたら「組付け」が間違っていただけだったんですよ。
蓋の部分が上下逆になっているだけ。
トーシローの俺でも分かったんですよ。
車屋は「入手時に分解して見たはず…」と言っていましたが、おそらく見てないよね。
少なくとも私には分解した形跡が見えませんでした。
仮に分解して見ていたとしても、こんな状態のシフトを間違えて組付けて、オイルが漏れているにもかかわらず「特に不具合無し」で売っているなら最悪の業者ですよね。
しかもまだあります。
シフトノブを交換しようとしたら、シフトレバーの先端がちょん切られて「無い」。
ネジ山が無いからノブが付かない…
なんで切ったのかもわからんけど、分かってるんなら最初に言っとけよクソが。
どうせここも見てないんだろうけど。
このシフトレバーを捨てるとしても、元のシフトのネジはM14×1.5だからノブをつけるには変換しなくてはいけないわけです。
M14からM10に変換するようなアダプタはそこらには売ってねぇんだよ…
これから車検やオイル交換など世話になろうと思っていたんですがね…
はぁ…
保証なしで購入した中古車に不具合があったらどうすればいいか?
この車両は「保証なし」で購入しているので、こういった場合はどうすればいいのか?
結論を言えば、民法の570条で【売主の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)】というものが定められているので、これに該当するようであればその旨を車屋に伝えてください。
修理なり契約の解除なりをするように交渉しましょう。
第570条【売主の瑕疵担保責任】
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条【地上権等がある場合等における売主の担保責任】の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
私の場合は分解した部品の写真を添えてメールで問い合わせましたが「純正のシフト(中古)」を送ってもらうことになりました。
もうね、預けて直してもらったとしても信用できないんですよ。
直ったと言われても後から自分で分解して確認すると思うので、部品だけ送ってもらって自分で直す方が安心だなと。
ヤフオクで出品されていたものが送られてきましたが、まぁ早く手に入ったのでいいでしょう。
中古部品を組付け
これから届いたシフトタワーを組み付けるわけですが、割れていたシフトタワーの壊れ方を見ると社外スペーサーの構造に問題があることが分かりました。
ボルトの力がかかる部分の構造がおかしい。
まず下の図を見て頂きたい。
シフト周りの断面図です。
シフトタワーは樹脂製なのでそこまで堅牢な作りではなく、ボルトで締め付ける部分は金属製のカラーが入っています。
社外スペーサーには金属製のカラーがハマる溝(ザグリ)が掘ってありますが、なぜかカラーの一番大き部分と同じ直径です。
この状態で締め付けるとどうなるか?
下図のように、社外のスペーサーにカラーが接触するまで締め付けてしまうと、カラーがどんどん下方向に逃げてしまい、ボルトが樹脂にめり込むことになります。
おそらく、樹脂が壊れない程度の締め付けでは隙間からのオイル漏れを止めることができず、どんどん締め付けていった結果、樹脂を破壊してしまったんだと推測できます。
なぜこんな構造なのか理解できませんが、前のオーナーはこの罠にハマったんでしょう。
シフトタワー破損防止とオイル漏れ対策
このままでは新しいタワーを使っても同じことになるので、カラーがちゃんと止まるようにスペーサーを作ります。
前職場なら旋盤で簡単に作れましたが、今の職場では使用できないのでアルミパイプをカットして作ります。
ちょうどいいパイプが売っていたので、のこぎりでカットしてヤスリで微調整すれば出来上がりです。
ガスケットはとりあえず厚紙を切って挟み込みました。
早速、組付けて試走します。
…
ダメです…
オイルが漏れます。
車屋から送られてきた正常のシフトタワーはほとんど湾曲はしていませんでしたが、それでも少し曲がっていたので、どうしても隙間からオイルが漏れます。
厚紙のガスケットは締め付けても変形量が少ないので、湾曲でできた隙間をカバーできないんです。
パッキンに何を使うか…
なるべく安く済ませたい私は「革」を使うことにしました。
レザークラフトに使用するヌメ革が余っていたので、それを切り出して使います。
トレースして
切り出す
t=0.6mmほどの革ですが、締め付ければ潰れてその形状にフィットします。
そんなに力のかかっていないところはその厚みのまま、オイルを吸えば多少膨らむこともあるでしょう。
まさに理想的な素材。
組み付けて200kmほど走行してみましたが、革がオイルを含んで色が変わりましたが、革からオイルが滴ることもなく、隙間からオイルがにじむこともなく、正常に機能しています。
革のパッキンは非常に使えることが判明しました。
これにてラングラーのシフト修理は完了です。
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