TJラングラーを1ナンバー登録するにあたり、確認変更が必要だった項目を記載します。
私は元々1ナンバー登録済みの車両を購入したので、今回3ナンバーから変更するという訳ではないですが、貨物要件を満たしているかどうかは車検の際に確認されるので、内容を理解していないとNGになる可能性大です。
参考にしてください。
まず私の車両についてですが、リフトアップ+オフロードタイヤ+オーバーフェンダーが付いています。
ただ車検証に記載されている幅や車高が現車とは違うので、恐らく車検時はノーマルフェンダー+純正タイヤ?等に替えて検査を受けていたようです。
今後はユーザー車検にするつもりなので、車検毎にいちいちタイヤやフェンダーを変えたりするのは面倒。なので現状のまま車検を通せるように構造変更をしました。
幅の変更に関する事は下の記事でまとめてあるので、そちらをご覧ください。
Contents
3ナンバーと1ナンバーの税金比較(維持費)
まず、乗用車登録(3ナンバー)の場合と、貨物登録(1ナンバー)にした場合の税金を比較してみます。
ラングラーTJのスペックは以下
乗員定員:4名
全長×全幅×全高:3915×1740×1800mm
総排気量:3959cc
車両重量:1590kg
車を維持する上での税金は二種類あります。
自動車税
毎年4月に車検証に記載された所有者に対し、乗用車は「排気量」、貨物は「最大積載量」に応じた金額が課せられます。
重量税
車検時にかかる税金であり、課税は「車両重量」に応じて 課せられます。
※どちらも年式によって減税や重課がありますが、TJラングラーは13年以上前の車なので割増で計算しなければなりません。
通常は3ナンバーなので2年車検ですが、1ナンバーで登録した場合、税金は安くなりますが車検は毎年になります。
とりあえず丸2年所有した場合の税金比較表です。
3ナンバー | 1ナンバー | |
自動車税 | 152,800円(76,400円/年) | 17,600円(8,800円/年) |
重量税(~2t) | 45,600円 | 16,400円(8,200円/年) |
合計 | 198,400円 | 34,000円 |
このように、税金だけ見れば1ナンバーの方が大幅に金額は抑えられます。
ただし、1ナンバーでは定員が2名になりますし、自賠責保険や任意保険料、高速料金も割高になります。
高速をよく使う人、ユーザー車検ではなく車屋に車検を出す場合は、その都度諸経費がかかってくるので、それらも考慮して決めた方が良いです。
貨物車(1ナンバー) の要項
検索すれば大体の情報は出てきますが、詳細は国土交通省の「自動車検査・登録ガイド」の中にある「自動車の用途等の区分について」にも書いてあるので確認してください。
簡単な要項まとめ。
- 荷物を載せる場所の床面積が1㎡以上あること
- 荷物を載せる場所と座席の間に壁や保護仕切りがあること
- 座席部分より荷物を載せる床面積のほうが広いこと
- 荷物の荷下ろし口が縦横80cm以上あること
- 最大積載量が乗員の重量よりも重いこと
それぞれ見ていきましょう。
荷物を載せる場所の床面積が1㎡以上あること
自動車の物品積載設備(注1)を最大に利用した場合において物品積載設備の床面積(注2)が1㎡以上あること。
荷台として使用するスペースの面積が1㎡以上あることを確認します。
荷台のタイヤえぐりもカウントして良いそうなので、そこも含めての計算となります。
一度目はリアシートとブラケット、中央のシートベルト受けを外して行きましたが、それだけではNGでした。
面積を測る時は運転席を限界まで寝かせて、そこから残った部分を貨物面積として計算するようで、面積を確保するには「リクライニング機構を殺す、もしくは壁や仕切り棒などでシートがそれ以上後ろに動かない構造にしなければいけない。」と言われました。
リクライニング機構を殺す方法はワイヤー固定や溶接などあるようですが、リスクが大きすぎるので仕切り棒をボルトで留める方法を選びました。
ホームセンターで部品を買えば千円前後でイケます。
ちなみに今回はサイドにあるシートベルトまでは外していないですが、要らない物が付いているとNGを食らう傾向にあるので、いざと言うときには外せるようにしておいた方が無難です。それに荷台については、乗車人員の携帯品置場(トランク)や、屋根上につけたラック等の面積は含まれ無いそうなので、セダンのトランクがデカいからと言って積載面積とは認められないという事ですね。
荷物を載せる場所と座席の間に壁や保護仕切りがあること
自動車の乗車設備と物品積載設備との間に適当な隔壁又は保護仕切等を備えたものであること。ただし、最大積載量500㎏以下の自動車で乗車人員が座席の背あてにより積載物品から保護される構造と認められるもの、及び折りたたみ式座席又は脱着式座席(注6)を有する自動車で乗車設備を最大に利用した場合には最大積載量を指定しないものにあってはこの限りでない。
ラングラーの積載量は500kg以下なので、座席の背あてにより保護されるのでOKのようです。
もしNGだとしても、前項で仕切り棒を設置してあるのでおそらく問題ないと思います。
座席部分より荷物を載せる床面積のほうが広いこと
自動車の乗車設備を最大に利用した場合において、残された物品積載設備の床面積が、この場合の乗車設備の床面積より大きいこと。
乗車設備については「運転席と助手席を除く乗車設備」という事らしいので、リアシートがある場合は運転席(助手席)のシート後方からリアシート後方までの面積という事でしょう。
ラングラーはリアシートを取り外してあるので、この文言には該当しないようですが、検査官は外側からラフに採寸しているようでした。
こちらも問題なし。
荷物の荷下ろし口が縦横80cm以上あること
ラングラーのリアゲートは問題なくクリア。
幌を上げれば縦横80cm以上あります。
最大積載量が乗員の重量よりも重いこと
一番の難関がこの要項でした。
自動車の乗車設備を最大に利用した場合において、残された物品積載設備に積載し得る貨物の重量(注5)が、この場合の乗車設備に乗車し得る人員の重量より大きいこと。
まず最大積載量の求め方ですが、検査官から教えてもらった方法は、車両総重量から「車両重量+乗員重量」を引いた後の残りの重量から決定する。という事です。
車両重量は実測した前軸重と後軸重の和。
乗員の重量は一人55kgで計算し、2名乗車であれば110kg。
車両総重量と言うのは、同型式の中で最も重い仕様の車両総重量が採用されるそうです。
何を基に調べているのかは教えてもらえませんでしたが、ラングラーTJ(TJ40S)の車両総重量は1850kgだそうです。
最初に測った時は前軸850kg、後軸800kgだったので車両重量は1650kgとなります。計算すると
1850-1650-110=90kg
最大積載量の登録は最低100kgからなので、余剰重量が足りなくて最大積載量を設定できません!!
これは困りました…
一番の重量物はゴツイオフロードタイヤです。このタイヤホイールを軽い物に交換すれば問題なく余剰分を確保できると思いますが、あいにく余計なホイールなどは持っていません。
どうするか…
どうすればもっと軽くできるか…
よくよく考えてみるとスペアタイヤキャリアや整備用の工具などが乗っていたので、とにかく外せるものを全部外し、ダメ押しである程度周りを走行してガソリンを消費してから再トライ。
その結果は850+760=1610kgとなり、最大積載量100kgでギリギリでOKが出ました。
最大積載量の謎
少し疑問なのは、最大積載量の表記が100kgになっている事です。
乗員は2名なので重量は110kgのはずです。
このままでは最大積載量(100kg)>乗員重量(110kg)が成立しないにもかかわらず、何故か100kgでOKでした。
その時は覆されるのが怖くて聞けませんでしたが、帰って文言を良くよく読んでみると以下のような表記が。
残された物品積載設備に積載し得る貨物の重量(注5)が…
(注5)積載し得る貨物の重量とは最大積載量を指定する際に最大積載量の基となる重量をいう。
先ほどの重量を計算すると
1850-1610-110=130kg
積載量は50kg単位になるので、表記上は切り捨てた100kgとなります。
しかし「最大積載量を指定する際に計算した基となる重量」は130kgなので、130>110になりOKという事でしょうか。
とにかくこれで構造変更+車検に受かりました。
車両総重量とGAWRについて
最後に車両総重量とGAWRについてです。
ラングラーのMAX車両総重量が1850kgっていうのが納得できなかったので、車体に貼ってあった GAWRを採用できないのか聞いてみました。
GAWRというのは定格総軸荷重という意味で、自動車メーカーとして保証している車軸あたりの最大許容荷重の評価の事だそうです。※GAWR(Gross Axle Weight Rating)
これによれば2019kgまでOKのはず!
しかし、このラベルにはアメリカの安全基準であるFMVSS(連邦自動車安全基準 Federal Motor Vehicle Safety Standards)の表記が無いことから、車検で採用することはできないとの事。
並行輸入の車両にはこのFMVSS表記があるようですが、ディーラー車には付いていないようです。
しかも、同じ型式の車両にラベルがあったとしても、そのラベルはその車体のみの担保なので、その他の車体に適用はされないとのこと。
ひどい話です。
車検にかかった費用↓
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