ソケットレンチの差込角と許容トルクの話【ラチェット選びの参考に】

 

あると便利なラチェットハンドルですが、選ぶときに差込角(さしこみかく)の大きさで迷うと思います。

私なりの考え方をまとめたので、ラチェット選びの参考にしていただければ。

 

Contents

差込角の種類

差込角というのはこの四角い部分の事です。(別名ドライブ角)

私が持っているのは9.5sq.

辺の長さが9.5mmになっています。

 

差込角の種類は数多くありますが、一般人が使うのは下の3種類かなと思います。

(メーカーでは6.3sq.、9.5sq.、12.7sq.、19.0sq.、25.4sq.の5種類のサイズが設定されています。)

6.3sq.9.5sq.12.7sq.
ミリ6.39.512.7
インチ1/4 (2/8)3/81/2 (4/8)
特殊な呼び方しぶいち(にぶ)さんぶよんぶ
イメージコンパクトツールバイク・自動車バイク・自動車(重整備)
よく使う一覧

※sq.はsquare(スクエア、英語で四角の意味

 

多くは「ミリ」で呼ぶことが多いと思いますが、玄人は6.3のことを「しぶいち」と呼ぶらしいです。

1/4 ⇒ 四分一だから。

私は「○.○スケ」と呼んでいます。

その他の呼び方はしらん。

※コメント頂いたので参照してください。

 

差込角の感覚的な選び方

ただのバイク・車好きとしての感覚で、各差込角の用途を書きます。

独断なのであしからず。

 

6.3sq.

コンパクトツールとして携帯セットにされているものによく使われているイメージ。

外装をいじったりするような軽整備とか緊急時の工具として選ぶのがおすすめ。

 

まともなメーカーの物なら強度は問題ないと思いますが、全体的に工具自体のサイズも小さく細く作られているので、単純に力がかかりにくいです。(テコの作用)

男性なら力ずくで使用出来ると思いますが、女性や力の弱い人にはキツイと思う。

そんなこともあり、通常のメンテナンスでガンガン使うには心もとないです。

 

ボルトやナットを締めたり緩めたりするには適切な力を加えなければなりませんが、自分が使う力は小さい方が安全です。

小さい道具でMAXの力を入れていると、不意に外れたときに顔面打ったり指をケガする危険がありますから。

DEEN Jビットセット

 

9.5sq.

私のような趣味の人やDIY好きならベストは9.5sq.。

 

工具サイズもそれほど大きくならず、どんな工具箱にも収納しやすい大きさの物が多い。

工具の強度も十分なので、通常の使用方法で破壊するのは不可能だと思います。

人の加える力と工具で発生するトルクの比がちょうどいい感じ。

緩めやすく、締め付けやすい。

 

ただ、足回りのメンテ(タイヤのホイールナットを締める場合とか)には不十分だと思う。

出来んことはないですが。

 

12.7sq.

工場など仕事場で多く使われている感じ。

実際、私の前職場で使用していたのはこれでしたね。

 

角が大きい分、強度や耐久性も相対的に向上しています。

トラックなどの大型車の整備を毎日していても十分なスペックだと思うので、個人使用には少々オーバースペック感があります。

半面、安心感はありますが、大きさもデカいので細かい場所では使いずらいと思う。

かさばるし。

 

こんなとこですね。

 

ラチェットハンドルの差込角と許容トルク

使っていて個人的に一番気になるのが「一体、どのくらいまで力を入れていいのか?」という事です。

 

ラチェットハンドルはJISの規格に準拠して作られているので、許容トルクはJIS規格を参考にすればいいでしょう。

JISの規格は以下のように。

  • JIS B 4636-1 ソケットレンチ-12.7角ドライブ
  • JIS B 4636-2 ソケットレンチ-6.35~25角ドライブ

検索する場合は→ JIS検索

 

私の持っている「RH3HW」についてメーカーに問い合わせたところ、許容トルクは200Nmという事でした。

差込角9.5sq.なので、角ドライブ10のところに該当するという事だと思います。

参照:JIS

 

RH3HWは差込角から握り中心まで約150mmなので、約130kg以上の力をかけないようにすれば問題ないという事になります。

130kgの力を加えるという事=130kgの重りを持ち上げるようなものなので、顔を真っ赤にして血管がブチ切れそうになるほど力を入れなければ大丈夫でしょう。

 

差込角と対応ソケットの大きさ

各差込角には対応するソケットの大きさも違うので、自分がよく整備するボルトナットが何mmか確認したほうがいいです。

差込角対応ソケットサイズ
6.3sq.3~14mm
9.5sq.5.5~24mm
12.7sq.8~36mm
対応サイズ表:TONEの場合

大抵のメンテナンスでは、5.5~24mmで十分だと思うんですよ。

 

ちなみに、車ホイールナットは軽自動車が17mm、乗用車や大型車が19~22mmあたりが多いはずです。

  • 軽自動車:17mm
  • 乗用車:19 or 21mm
  • 大型車:22mm(ランクルとか)

ホイールナット二面幅サイズ一覧

9.5sq.は24mmまでソケットの設定があるし、締め付けトルクも80~120Nmくらいなので十分使えますが、200mmくらいのラチェットで締めようとは思わないですよね。

柄の長いロングを使えばイケるかもしれませんが、メーカーの回答も17mm以上の緩めを行うときは差込角12.7sq.のご使用をおすすめしているそうです。

 

ま、タイヤ交換には十字レンチを使う人が多いと思いますけどね。

 

無難な差込角は9.5sq.

ハンドルの長さ、対応するボルトナットの範囲、許容トルク。

総合的に考えて【9.5sq.】をメインに使用しています。

 

もちろん、お金と場所がある人は全部持っていてもいいと思いますけど。

どれか一本買うなら。

という事です。

 

お気に入りの工具については↓

 

2件のコメント

差込角の呼びですが、3/8インチが“さんぶ”。つまり1/8インチが“いちぶ”。
よって、1/4インチは、“にぶ”(2/8=6.35mm)。“しぶいち”とも言いますが。
    1/2インチは、“よんぶ”(4/8≒12.7mm)。
    3/4インチは、“ろくぶ”(6/8≒19mm)。
になると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です