スーパーカブ110のブリーザーホースにワンウェイバルブ(アストロ製)を装着してみました。
結果として、ある程度の効果が体感できたので参考にしてください。
※デメリットもあるので自己責任で
Contents
なぜワンウェイバルブをつけるのか
ブローバイホースにワンウェイバルブを取り付ける事で、クランクケース内の減圧を期待しています。
実はこのカスタムはレース車両などでも頻繁に行われているものです。
本来は専用に作られた「クランクケース内減圧バルブ」と言われる物をつけますが、専用品は超絶高価なんですよね。
だから汎用のワンウェイバルブで代用しようというわけです。
ブリーザーホースの役割
そもそものブリーザーホースの役割は、クランクケース内のブローバイガスを排出することです。
ブローバイガスというのは、ピストンの隙間からクランクケース内に漏れ出した混合ガスや排気ガスの事なんですが、古くは大気開放していました。
でも、混合ガス(未燃焼ガス)や排気ガスをそのまま大気に排出するのは環境に悪いというので、現在は再び燃焼させるためにエアクリーナーボックス内に戻しているわけです。
このようにエアクリボックスにつながっていますね。
構造上、クランクケース内はブローバイガスが溜まる一方らしいのですが、正圧より若干負圧になっている方が性能的にメリットが多く、レース車両などでは改造されることも多いそうです。
クランクケース内減圧によるメリット
一般的に言われているメリットは以下のようなものです。
- 燃費向上
- 振動の軽減
- 始動性の向上
- シフトショック軽減
- エンジンブレーキ軽減
- エンジンが回りやすくなる
いいことが多すぎますね。
デメリットも最後の方に書くので出来れば読んでください。
実際に交換してみる
実際のブリーザーホースを確認する前にワンウェイバルブを買いに行きました。
なぜなら、ホースを外すにはレッグカバーを外す必要があるから…
(カバー外すのめんどくさいんじゃ…)
最初はキジマのワンウェイバルブを買おうと思ったんですが、1000円くらいするんですよね。
うーん、と迷ったんですが、多くの人が使っているのはアストロプロダクツのワンウェイバルブ(550円)なので近くのアストロに行って購入しました。
このバルブの構造は中に樹脂?のボールが入っていて、それが弁の役目をしているようです。
多分こんな構造だと思う。
さて、実際につけてみます。
レッグカバーを外せばホースは目の前です。
実際のブリーザーホースを外して測ってみると内径はΦ8mmでした。
でも、アストロのワンウェイバルブの差し込み部分の径はΦ6なんですよ。
ホースの内径はΦ8なのでスッカスカです。
(そんなこと書いてなかったじゃないか…)
という事で、ビニールテープを巻き付けてΦ8にしました。
まぁ、このバルブは付けたとしてもすぐに外すかもしれないのでこんなもんでいいんですよ。
出来ればホースは切りたくないので、反対側は余っていたガソリンホースを流用しました。
とりあえずタイラップで止めて完了です。
※方向はクランクケースから出る方向ですから気を付けてください。
クランクケース減圧の効果
走ってみると、確かに効果が体感できました。
- エンジンブレーキが軽減された
先の信号が赤になって慣性で走っている時や停まる直前のアクセルオフ時が一番分かります。
3速とか4速でしかも極低速で走っている時は特に「スゥーーー」と走れます。
1速でアクセルオフしたときの「グウゥゥーン」って感じのエンブレも軽くなりました。
- 速度が乗るようになった
登りは特に感じませんが、下り坂で速度が出やすくなりました。
パワーやトルクが出るというより単純にエンジンが回転しやすくなった気がします。
ブリッピングもしやすいです。
交換後、一回目の給油ですが燃費は若干良くなりました。
遠出したこと、気温が上がったことを考慮しても効果ありです。
ワンウェイバルブをつけるデメリット
ちゃんとデメリットや注意点もあるのでご了承ください。
- エンジンオイルの劣化が早まる
詳しい説明は割愛しますが(というか完全に理解していないですが)四輪車のようにPCVバルブが付いている場合、クランクケース内はエアクリーナー内の空気で換気されるようになっているようです。(ブリーザーホースによる)
しかし、ブリーザーホースにワンウェイバルブをつけてしまうとケース内がブローバイガスのみになってしまうため、エンジンオイルの劣化が早まります。
カブの場合はPCVバルブは無くブリーザーホースのみだと思うので、最初からそんなに換気されないてないようですし、デメリットにはならないかなという気もします。
- バルブ故障時に致命傷になる
ブローバイガスにはガソリンやエンジンオイルなどが含まれているので、ワンウェイバルブを長期間使用していると固着する恐れがあります。
下の画像は10日間後のワンウェイバルブですが、オイルと水分が混ざったエマルジョンで汚れていました。
これがバルブが空気の通り道を塞ぐ形で固着してしまった場合、ブローバイガスの逃げ道がなくなり圧力は上がります。
クランクケース内の圧力が上がりすぎると、オイル上がりやパッキンの損傷などが起きやすくなります。
そして、最終的にエンジン焼き付きなど致命的な故障につながりかねないのです。
あとは破損した部品がクランクケース内に混入する恐れもあります。
そうならないためには定期的な点検や清掃が欠かせないわけです。
まとめ
実は以前乗っていたBMWで一時期自作ワンウェイバルブを付けていたことがあるので、効果は知っていました。
製品化されているのは大体リードバルブ式のようです。
自分が作ったのもリードバルブ式のワンウェイバルブだったんですが、直6のBMWのエンジンではかなり体感的な効果がありました。
今回はΦ6のものを使用しましたが、Φ8~10など出来るだけ径の大きなものの方が良さそうなので、次回はもう少し径の大きなヤツで試そうと思います。
でもホースにバルブをかませるよりも、エアクリーナーボックスの口をリードバルブのように加工してもいいかなと思いましたね。
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